自転車事故は誰もが当事者になりうる

日常生活において、自転車を利用する人はとても多いです。
子供達は、近所へ出掛ける時は、友達と一緒に自転車で移動しますし、大人は健康のために乗る人、買い物に使う人、子供達の送り迎えに使う人、様々な場面で自転車は日常生活で、移動の手段になっています。

 

【自転車による事故】
そんな生活に欠かせない乗り物である自転車ですが、事故が多いのも事実です。
自転車に乗っている人が、車などに接触して怪我をする場合もありますし、逆に、歩行者にぶつかって怪我を負わせてしまうこともあります。
乗っている自転車で、他の車に傷を付ける場合もあります。
中でも自転車が歩行者と衝突して怪我をさせるケースが最近増えています。

 

【自転車と歩行者による事故】
自転車の事故では、対自動車、対二輪車では減少傾向にあるものの、対歩行者の事故は、2000年と2010年での比較では、1.5倍に増加しています。
怪我が多いのは若年層で、交通ルールの認識不足が大きく関わっていると考えられます。
また、亡くなるケースは圧倒的に70歳以上の高齢者となっています。
反射能力が衰えてくること、怪我をすると重篤になってしまうということが考えられます。

 

【莫大な賠償金請求も】
通常自転車は軽いですし、スピードも車ほどは出ませんから、人身事故の場合でも、重症を追わせたり、死亡事故にまでなってしまうケースはそれほど多くはありません。
でも、転倒して頭を強く打ったり、被害者に重度の後遺症が残るケースもあります。
被害者の人生は、そこで大きく変えられてしまうのです。
裁判では、一億円近い賠償金の支払いを命じられるケースもあります。
子供が起こした事故であれば、その親に賠償責任が生じます。

 

【自転車の保険】
このように日常的に身近で起こる可能性が大きい自転車事故ですが、保険に加入している人は、10%に満たないのではないかという調査結果があります。
自動車の場合、自賠責保険という保険に加入することを義務付けられていますが、自転車の場合、保険に加入することは義務付けられていません。
莫大な賠償金を支払えず、自己破産するケースも出ています。

 

世界的に見ても、自転車利用者が多い日本ですが、環境整備や法の整備は遅れています。
誰もが当事者になる可能性の高い自転車事故ですから、一人一人が、自分の身は自分で守るという気持ちを持って、ルールを守って乗りましょう。

 

自転車事故での損害賠償

自転車事故も、車と同じように乗り物による事故です。
賠償責任は自転車に乗っていた人が負うことになります。
被害者に重度の後遺症が残ったり、死亡させた場合、裁判によって命じられる賠償額は莫大になることもあります。

 

【裁判による賠償額の事例】
☆自転車同士の衝突で、被害者女性が道路側に転倒し、バイクとも衝突した例。
被害者の女性(52歳)は、脳外傷で、後遺障害3級。
損害賠償額:7908万円余り。
☆歩行者と自転車の事故で、歩道を歩いていた被害者女性に、自転車が後ろから衝突。
被害者の女性(77歳)は、脳挫傷などの要介護状態で、後遺障害2級。
損害賠償額:6223万円余り。
☆被害者が自転車で交差点を通過したところに、道路を横断しようとした、 高校生の乗っていた自転車と衝突。
被害者の男性(24歳会社員)は、後遺障害1級。
損害賠償額:1億7244万円余り。
☆11歳の少年が、マウンテンバイクで坂を下る途中、散歩中の女性に気付かず正面衝突。
被害者の女性(62歳)は、寝たきりの状態。
損害賠償額:9500万円余り。

 

【賠償請求額】
損害賠償請求額は、どのような内訳で計算されているのでしょうか。
☆積極損害・・・事故によって被害者が支払った費用のことを言います。
治療費・通院交通費・付き添い看護費・入院費・器具などの購入費・将来の手術費及び治療費・ 家屋などの改造費・葬祭費(亡くなった場合)・弁護士費用などが、これにあたります。
☆消極損害・・・交通事故にあわなければ、将来得られたと考えられる利益のことです。
休業損害・後遺症による逸失利益・死亡による逸失利益などがこれにあたります。
☆慰謝料・・・ 慰謝料は、病院に通院または入院した場合(障害慰謝料)、 後遺症が残った場合(後遺症慰謝料)及び死亡した場合(死亡慰謝料)に限られます。
他にも加害者の過失の割合や、加害者の素性など、様々なことを合わせて考え計算されます。

 

自転車の事故といっても、重大な結果を招く場合も少なくありません。
被害者が若い働き手で、将来もあるはずだった場合、賠償額は莫大な金額になります。
自転車保険に加入しておくことは、これらの悲劇を少しでも緩和するために必要ではないでしょうか。

 

自転車事故に備える保険

自転車と聞くと、そんなに危険な乗り物という気がしない人が多いでしょう。
ところが現実には、自転車と歩行者の事故は交通事故の全体の2割にのぼり、自転車は加害者になりうるということを示しています。
自転車利用者で、自転車保険に入っている人はまだ少なく、万が一の事故に備えている人は、詳しい記録はありませんが、10%程度だと考えられています。

 

損害賠償金額が、一億円を超えるようなケースも発生しています。
もしも自転車保険に入っていない場合、自己破産になるケースもあります。
自動車と違い、保険は強制ではありませんが、加入する必要があるでしょう。

 

【自転車保険】
自転車保険は、損害保険の一種で「傷害保険」の中に入ります。
主な補償は、自転車に乗っているときの自分怪我の補償と、第三者(他人)に怪我をさせてしまった場合の補償、その人の物を壊したりした場合の損害賠償の2つです。
自転車保険だけだと、補償の範囲は限られているので、自分が自転車を利用する上で、なにが重要なのか、保険に加入する前に考えると良いです。

 

【自転車保険の加入】
様々な自転車保険があり、保険料も年間500円から10000円を超えるものまであって、保証される範囲も、金額に応じて様々に分類されているので、自分に必要な保険を探し、適した保険を選ぶ必要があります。

☆TSマーク保険
自転車店で自転車の整備・点検をしてもらうと、貼ってくれるシールです。
傷害保険と賠償責任保険が付帯されています。

☆交通事故傷害保険
交通事故傷害保険というものがあり、自転車事故よりも範囲が広く、保険料も割高ですが、補償される範囲も金額の上限も高い設定になっているので、こちらもお勧めです。

☆普通傷害保険
こちらは、交通事故傷害保険よりも更に広くカバーされる保険です。

☆自動車保険の一部に含まれている
自動車保険に既に加入している人のばあい、その保険の内容をもう一度確認することをお勧めします。
保険の条項の中に、自転車事故の場合が含まれていることもあるからです。

 

TSマーク付帯保険

自転車に貼ってある、赤か青のシールを見たことがある人、あるいは、自転車屋さんで貼ってもらった経験のある人も多いのではないでしょうか。
TSというロゴが書かれたこのシール、どんな意味があるのかお話します。

 

【TSマークってなに?】
自転車屋さんで自転車を購入したり、整備をしてもらうと、貼られるTSマークのシール。
TSの意味は、Traffic Safety(交通安全)の略になっています。
(公)日本交通管理技術協会で認められた自転車安全整備士が、正しく自転車を点検・整備したということを意味しています。
このTSマークには、傷害保険と賠償責任保険が付帯しています。
このマークの付いた自転車で事故を起こした場合に、保険でカバーされるのです。

 

【TSマークの補償内容】
自転車事故によるリスクは、深刻な賠償問題に繋がる場合があります。
TSマークは、そうしたトラブルの救済措置として、赤と青の二種類の保険があります。

☆青色TSマーク
傷害補償:死亡、重度後遺障害(1~4級) 一律 30万円
入院(15日以上)一律1万円
個人賠償責任補償:死亡、重度後遺障害(1~7級)限度額1000万円
保険料(整備・点検代金):1500円程度

☆赤色TSマーク
傷害補償:死亡、重度後遺障害(1~4級) 一律 100万円
入院(15日以上)一律10万円
個人賠償責任補償 :死亡、重度後遺障害(1~7級) 限度額 5,000万円
被害者見舞金 :入院15日以上 一律 10万円
保険料(整備・点検代金):2000円程度

補償の期間は一年間です。更新する場合は一年ごとの整備・点検が必要になります。
※整備・点検にかかる費用は、自転車の状態にもよりますし、お店によって料金はまちまちです。

TSマークを取り扱っているお店を調べて、直接お店に問い合わせると良いでしょう。

 

【TSマーク請求手続き】
TSマークが貼ってある自転車で事故を起こした場合、まず110番へ連絡して事故の届出をします。
次に、三井住友海上火災保険(株)の事故受付センター(24時間受付)へ連絡をします。
保険会社から、保険金請求のために必要な手続きを連絡してきます。
15日以上の入院が見込まれる場合は、あらためて保険会社へ連絡をします。
お見舞い金は原則として、保険会社から被害者のかたへ支払われます。

 

被害者が自分を守る保険

自転車事故の被害者になった場合、自分を守るための保険はあるでしょうか。
いつ当事者になっても不思議ではない「自転車事故」、万が一のために備えましょう。

 

【自転車事故の被害者になった場合】
自分が自転車を運転していて、被害者になった場合、自分の損害は、加害者側から賠償されます。(被害者側の過失がある場合は、過失相殺されます。)
☆加害者が自動車あるいはバイクを運転していた場合には、その任意保険や、自賠責保険から支払われることになります。
☆加害者が自転車の場合、保険は強制ではないので、保険に加入していない場合も考えられます。
その上、相手に支払う能力がなかった場合、被害者は大変困った立場に追いやられてしまいます。
被害に合う前に、自分が加入している保険について、調べておくことが必要です。

 

【被害者を守る保険】
☆交通事故傷害保険・・・怪我や事故に対応した保険
交通に使われる乗り物(電車、自動車、原動機付自転車、自転車、飛行機、船舶等)に適応されます。
自転車保険よりも範囲が広く、カバーされる補償の範囲も広くなります。
補償の対象を「交通事故」と「建物・乗物の火災」の2つに限定しているため、支払う保険料は「普通傷害保険」よりも安くなっています。
☆人身傷害保険
車を運転する人であれば、人身傷害保険も含めて加入することがお勧めです。
この保険は、自分が車に乗っていない場合にも適応されます。
歩行者であったり、自転車に乗っていた場合も含まれるので、被害者になった場合に心強いです。
☆無保険車傷害条項
これは確認しておく必要のある条項です。
車の任意保険の条項の中に「無保険車傷害条項」という条項があると、相手が保険に加入していない場合に、加害者が支払うべき賠償金額を、保険がカバーしてくれます。
※弁護士費用などの特約もあると更に安心です。

 

【事故にあったら】
☆どんな小さな事故でも警察に来てもらい、調書を書いてもらいましょう。
保険の請求をするには、交通事故証明書が必要です。
☆なんともなくとも病院に行って受診しましょう。
後になって後遺症が出るかのうせいもあります。
病院での診断書・往復の交通費・薬代・診療報酬明細書など、全て残しておきましょう。
会社を休まなければならない場合は、休業損害証明書を発行してもらいます。
☆相手の情報(名刺をもらうなり、名前と電話番号、住所)を教えてもらいましょう。
保険会社が対応する場合も、自分で対応する場合も、相手の情報は必要です。